推薦の辞『迷ったら、「原則」に戻れ。』 岩田松雄
はじめに
1.テーマ紹介
2.教授より医師でありたい~ それぞれの役割を担うために人生がある
3.オープニングスタッフは、同じ価値観を持ったパート6名!
4.歯科医院の主人公を、歯科医師からスタッフにシフトしよう!
5.スタッフの心をつかむアプローチ!「相手の目線に合わせた御用聞き」
6.ヒエラルキー組織からの脱却「ドクターをトップとした〝人〟中心のチームづくり」
7.「ワクワク」させる 仕掛けで意思統一!成功体験を積み重ねてチームをまとめる
8.ミドルマネージャーの育成「失敗を恐れずに経験させる」
9.人を動かすのは心!与えるものが与えられる
10 .ミッションで固まった人間の団結は強い!
11 .目に見えないものを大切する
おわりに
国や人種、時代が変われど、
経営には変わらぬ原理原則がある!
「ミッションを大切にし、物事の本質をしっかりと見る」
臨床家、研究者、教育者、経営者(MBAホルダー)として、
一流の実績を創りあげた宮本先生が贈る、歯科医院経営の10年の軌跡!
歯科医療業界の活性化に一隅を照らす貴重な1冊です!
株式会社リーダーシップコンサルティングCEO
元スターバックスコーヒージャパンCEO
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科教授
現代はVUCAの時代と言われています。VUCAとは、
・Volatility ‐変動性(変化のスピードが速くなっている)
・Uncertainty ‐不確実性(確実な事がない。なんでもあり)
・Complexity ‐複雑性(グローバル化とネットの発達により、ボーダレス)
・Ambiguity ‐曖昧性(はっきりした事がわからない)
私は、こうしたVUCAの時代だからこそ、「これからの経営」に必要なことは、まさに目新しさとは真逆の「原理原則」に戻り「本質」を極めることと考えています。私は現在、教授を務めている立教大学ビジネススクールでは、一般的にビジネススクールで教えるような「きれいごと」だけではなく、いかに「経営者マインド」が必要か、「理念(ミッション)」「リーダーシップ」「戦略」などの経営の「原理原則」をドラッカーやトップ経営者の伝記を教材にして教えています。
その立教ビジネススクールの教え子達で特に印象に残っているのが宮本先生です。
宮本先生が属する医療組織は、利益追求組織ではありません。医療を通じての「患者様の幸福の追求」こそが、ミッションだと思います。これは「利益が必要ではない」といっているのではなく、「利益は目的(ミッション)達成のため手段」として必要なのです。例えNPOであれ、組織運営には資金が必要です。企業においても、利益は目的でなく、企業活動にとっての必要条件です。しかし日本の医療業界、特に歯科医療業界の方々は、経営について、あまり熱心でないように見えます。医療業界の経営とは、患者様に質の高い医療を提供し、社会貢献することです。つまり、医療業界といえども経営を怠ると利益が上がらず患者様への十分なサービスが行えません。歯科医療を通じての社会貢献ができなくなるのです。 歯科医院での、院長は「歯科医師(職人)」「マネージャー」「リーダー」の3つの側面を持つ必要があります。一般的に歯科医師は、大学から歯学を専攻し、卒業後も職人としての知識・技術の修練に努めています。しかし医院運営にあたり、他の2点が疎かになりがちです。私も時々、歯科医院で診療を受けますが、接客やサービスの面でとても残念に思う医院もあります。歯科医院内での院長の立場は、絶対的です。ですから、院長の経営者としての資質が、そのまま医院としてのレベルになります。院長が成長すれば、医院は成長します。そういった医院が増えると業界全体にも活気をもたらすでしょう。もともと歯科医療は、医療という行為に患者様から直接「ありがとう」を言っていただける、喜びを実感できる希少な業界です。そこで働く方々は、その「ありがとう」から多くのエネルギーを与えてもらえます。 患者様が笑顔で「ありがとう」という瞬間が、歯科医院で「火花が散る一瞬」(つまりミッションが達成する瞬間)だと考えます。そこに医療の本質があります。この瞬間のために、歯科医院のすべての意識を集中させるべきだと思います。
これは宮本さんのストーリーですが、多くの原理原則が基盤となっています。例えば、宮本先生がスタッフに対する「本気の言葉」、「一対一での対話」、「御用聞き意識」、「部下に勇気を与えること」、「大事なことは何度でも話している」ことなど。一見、当たり前のことの様ですが、これを継続することが、現在の彼の率いる組織の成長に繋がっています。これらは多くの歯科医院の院長にとって、いろいろな気づきを与え、有意義で参考になると信じています。
1990年愛知学院大学歯学部卒業後、石川県立中央病院歯科口腔外科入職。北陸初の顎関節症造影検査や内視鏡手術を導入、200以上の手術症例を担当する傍ら、症例報告や臨床研究を積み重ね、25歳で論文を発表。28歳でアメリカの一流学会誌『Journal of Oral & Maxillofacial Surgery』に自身の論文が掲載される。
その後、アデレード大学、明海大学で口腔外科最先端医療の臨床的、基礎的研究に従事し、アメリカ、イギリス、オランダ、ドイツ、オーストラリア、日本で160を超える論文を発表。愛知学院大学では歴代2例目、歯学部では初めてとなる英語論文での歯学博士号の学位を取得。明海大学病院顎関節疾患総合診療センター長や明海大学歯学部病態診断治療学講座口腔顎顔面外科第2分野客員講師を経て、2007年埼玉県志木市に幸町歯科口腔外科医院を開業。2015年からは埼玉医科大学麻酔科非常勤講師。2017年、立教大学大学院にてMBA取得。多数の臨床関連著書の他、『サンタはなぜ配達料をとらないのか?』(VOICE社)等、仕事論、生きかた論についての著作も執筆。多数の書籍やレクチャー・セミナーが話題を呼び、歯科業界のサンタという異名を持つ。
<要職>
明海大学歯学部病態診断治療学講座口腔顎顔面外科第2分野客員講師
埼玉医科大学麻酔科非常勤講師
アデレード大学口腔顎顔面外科招待研究員
日本ウェルネス歯科衛生学校指導教官
厚生労働省認定歯科医師臨床指導医指導教官
日本顎関節学会代議員・指導医・専門医
アンチエイジング歯科学会認定医
デンマットジャパン認定医
日本スポーツ歯科医学会認定マウスガードテクニカルインストラクター
関東ラグビーフットボール協会スポーツマウスガード認定医
日本歯科医師会会員
<学術論文>
The Effect of Etodolac on Experimental Temporomandibular Joint Osteoarthritis in Dogs.
Hizuru Miyamoto, et al.
Journal of Cranio-Maxillofacial Surgery, 35: 358-363, 2007.
(ドイツ)
Arthroscopic Surgery of the Temporomandibular Joint: Comparison of Two Successful Techniques.
Hizuru Miyamoto, et al.
British Jpurnal of Oral & Maxillofacial Surgery, 37: 397-400, 1999.
(イギリス)
A Seep Model for Ankylosis of the Temporomandibular Joint.
Hizuru Miyamoto, et al.
Oral & Maxillofacial Surhgery, 812-817: 57, 1999.
(アメリカ)
The Effect of Intra-Articular Bone Fragment in the Genesis of Temporomandibular Joint Ankylosis.
Hizuru Miyamoto, et al.
International Journal of Oral & Maxillofacial Surhery, 29: 290-295, 2000.
(オランダ)
Arthroscopic Management of Temporomandibular Closed Lock.
Hizuru Miyamoto, et al.
Australian Journal of Oral & Maxillofacial Surgery, 43: 301-304, 1998.
(オーストラリア)
Regeneration of Mandibular Condyle FollowingUnilateral Condylectomy in Canines.
Hizuru Miyamoto, et al.
Journal of Cranio-Maxillofacial Surgery, 32: 296-302, 2004.
(ドイツ)
The Role of the Disk in Sheep Temporomandibular Joint Ankylosis.
Hizuru Miyamoto, et al.
1999.
(アメリカ)